「占い」を客観的な助言として受け入れる。多面的な思考による人生の輝かせ方

早矢(はや)

占い師/西洋占術実践研究家/キャリアコンサルタント。
占い師として活動する傍ら、法政大学キャリアデザイン学部で「キャリアデザイン・キャリアカウンセリング」を学んだ後、国家資格のキャリアコンサルタントを取得。コンサルタントの知見と西洋占星術、タロットの技能を融合させた独自の鑑定を実践する。「優しく懇切丁寧にとことんサポートする」がモットー。著書に「世界のビジネスエリートが身につける教養としての占い」(クロスメディア・パブリッシング)、「パワーストーン辞典」(マイナビ文庫)などがある。産経学園にて西洋占星術・タロット専任講師を務める。YouTube公式サイト「早矢の占いチャンネル」更新中。


あなたは、占いに対して「肯定派」ですか?それとも「否定派」でしょうか。西洋占術実践研究家、キャリアコンサルタントの顔をもち、占い師として活動されている“早矢”氏。現在は、東京・吉祥寺で占いカウンセリングサロン「インスパイア吉祥寺」を主宰しています。これまで2万2000人以上を鑑定し、悩みがある方々にさまざまな助言を伝えてきました。

人は誰でも主観的な基準から抜け出せないものです。何かアドバイスをされたときに、自分の価値観や感情が邪魔をして、素直に受け止められないこともあるでしょう。その点、占いは自分とは完全に別の基準です。「正しい」「正しくない」といったジャッジが入り込む余地はなく、ただそのまま受け入れるかどうかの選択しかできません。

誰かからの助言をそのままの形で取り入れることができるようになれば、自分の知らない選択肢が見えてくる。早矢氏に、「占い」を通して客観的な助言を受け入れる姿勢について、そして助言を与えるために大切なことを聞きました。それは、目の間にある事象のどこに光を当てるか、といった人生論にも繋がっていきます。


人に寄り添える仕事がしたい

私は子供の頃、クラスの友人を占ったり、手相を見て相談に乗ったりしておりました。占いや心理学的なことが大好きだったのです。占い師になろうと思ったきっかけは、20歳の頃に回復が難しいとされた大病を患ってしまったことでした。その病を、周囲の方々に助けられながら克服できた経緯がございます。そこから私は、いつか困っている方に寄り添える仕事がしたいと考えるようになりました。

占い師になって21年目になります。相談にいらっしゃった方の中には、「何も自分の素性を話していないのに、職業や性格まで当てられた。自分は何となく生きてきたけれど、私は間違っていなかったと肯定された感覚がある」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。占いという助言を受け、自分を知ることで、これでいいんだという確信が持てるのではないでしょうか。

人生の選択肢を「知る」ことが大切

以前、ある男性のお客様で、会社を辞めて転職したいという方が鑑定にいらっしゃいました。お話を聞いてみると、お仕事のタスクが多すぎて、精神的にも肉体的にも一杯になってしまっているということでした。もうつらいから辞めたい。それだけを一元的に考えての来店でした。

鑑定をしてみると、とても真面目に仕事をこなす一方、仕事を抱えすぎる傾向があるようでした。周囲に必要とされているから忙しくなる。仕事に対してノーと言わないのでどんどんタスクが増えていく状況でした。その方は、絶対に仕事をこなさなければと、責任感が強すぎてしまったのだと思います。決して給与面の待遇、人間関係などが悪くなかったにも関わらず、辞めるという選択肢しか思い浮かばないようでした。

そこで私は、一つ助言をしてみたのです。「上司に相談はしたのでしょうか?あなたが上司の立場で一生懸命にタスクをこなす部下が突然辞めたいといったらどうでしょう。もっと気遣って早く相談に乗るべきであったと思いませんか?」と。その方は、ハッとした顔をして、辞める以外の選択肢もあったのだという事に気づかされたようでした。

誰でも思い悩むと、考え方が主観的、一元的になっていることが多いものです。そのことに気づいていない方もたくさんいらっしゃいます。そうしたときに大切なのは、他人の意見を素直に受け止めることでしょう。

自分の中にはない選択肢を「知る」ことが重要です。例えば、本人はA案しかないと思っていても、助言から知るB案もあり、C案もある事に気づく。その中に自分を助けてくれるものがあるかもしれませんし、B案C案を掛け合わせることで新しい選択肢も出てくるかもしれません。

そうした視点から、占いを「当たる」「当たらない」だけではなく、「客観的な助言」と捉えることもできるのではないでしょうか。お医者様やカウンセラーからアドバイスをされるのも同じ。自分の外からもたらされる意見を、素直に受け止める。そうすることで、新しい道も見えてくるはずです。

助言の捉え方次第で明暗がわかれる

話を素直に聴くスキル、それを実践する行動力があれば、客観的な助言をより活かすことができます。ある女性に自己表現が向いていると助言をしたところ、そこからすぐにポールダンスのスクールに通い始め、大会に出場するまでになった方もいらっしゃいます。

他人からの助言は、知識などと同様、使い方次第なのだと思います。自らが納得し、助言を活かして実行しようとするのか。または、聞いただけで終わるのか。助言を聞いて、自身の課題を意識して眺める習慣を持つことも大切です。

助言を聞くときは、一つの助言が全てではないということに気を付けるべきでしょう。占いを日常生活や仕事に役立てるためには、自らも客観的な視点に立って、適切な距離感をもつ必要があります。一つの助言に必要以上に依存したり、振り回されてしまったりしたのでは、結果的に判断を誤ることになってしまいます。

私は、占いは現時点で想定される「未来予想図」だと思ってお客様にお伝えしています。それを実現できるかどうかは、ご本人の考え方と行動にかかっています。大事なポイントは、どのような結果であっても一喜一憂せず、それを「注意喚起」と受け止め、ポジティブな気持ちで行動することが大切です。

信頼関係は目の前の人を受容することから始まる

一方、客観的な助言をする側の姿勢も大切です。私の占いは、最初にお客様のホロスコープをつくり、それを見て、性格や才能などを当てていく流れです。その中で、信頼関係が構築されていきます。お客様からしたら、こちらから深い話をしていないのに、こんなことまで言い当てたといった経緯から、自分のことをきっと理解してくれているのではないか。そこから急速な信頼感に繋がるのだと思います。

占い師の言葉は、ポジティブで良いことを伝える一方、ネガティブなことや間違ったことを伝え、未来に対しての先入観を植え付けてしまう危険性があります。それほど影響力が強いものだと思っています。私は占い師になった当初から、お客様に対して常にポジティブな言葉で伝えることを意識しています。

私は、国家資格の「キャリアコンサルタント」を取得する以前より、心理カウンセリングの手法を多数学んでおります。カウンセリングの世界では、「話すは放つにつながる」といわれます。話すことで主観的な思い込みに自身が気づき、修正し、解決策を見出していく作業が多くあります。これは、日本のカウンセリング技法の主流、「来談者中心療法」といわれるものです。

カウンセリングでは、「信頼関係」を重視します。これを心理学の世界では「ラポール」といいます。上司と部下、顧客との関係でも、ラポールの形成はとても重要です。カウンセリングの中では、クライアントの話をカウンセラーは否定してはいけません。否定した時点で、クライアントは拒絶を感じてしまいます。その後は心を開いてはもらえなくなり、カウンセリングになりません。また、相手の立場に立ち、共感を持って傾聴に徹し、前向きに接することも大切です。

職場での人間関係でも信頼関係の構築は重要ですよね。上司や同僚とポジティブな言葉を使い対話することで、お互いの良いエネルギー交換ができる。仕事に対しての新しいアイデアが浮かんだり、主観的な思い込みからも解放されたりするかもしれません。

物事のどこに光を当てるかで捉え方は変わる

私は占い師として開業してから、お客様が納得のいかないような、わかりにくい鑑定はしないと決めています。助言には納得できるだけの根拠が必要だと思うからです。

ご相談にいらっしゃるお客様に説明する際は、専門用語をかみ砕いてわかりやすく、論理的に伝えるようにしています。さらに、全面的に共感するという姿勢をもつこと。クライアントの課題に上から目線ではなく、同じ目線にて伴走者として寄り添い、信頼関係を構築することに注力しています。相手を傷つけないよう、これだという言葉を選びお話しております。

占星術は、星の現象に基づいて、持って生まれた才能や性格全般はもちろん、運勢や人生のターニングポイントや将来を占うものです。星が持つ意味は、ポジティブにもネガティブにも、いろいろな解釈ができます。例えば天王星という天体をポジティブに捉えると、革命や変化、論理性という意味を持ちます。ネガティブな意味だと、トラブルや突発的な変化という意味です。

あるお客様がネガティブな傾向をお持ちの時は、「少し変化がある時期ですね」と、婉曲的に伝えるようにしています。例えば、「今年の何月から想定外のことが起こるけど、変化しましょうというメッセージです。ポジティブに受け止めていきましょう」というように。

占星術における星の配置は、常に良いわけではありません。人の運勢についても、四季のリズム同様、冬のような時期がございます。その時期を耐え乗り越えれば、大きな成長があり、大きな結果を残すことができます。自身の運勢や物事をどう捉え、活かすかが重要なのです。

物事は、多面的です。例えるならば、インターネットは、さまざまな人や物事とつながることができる、とても便利なものです。そこから生まれる楽しい側面もありますが、一方で犯罪の温床になっている側面もあります。どこから光を当てるかで、物事の見え方は変わってくるものだと思っております。

私はできる限り「リフレーミング」を意識し、物事を前向きに捉える思考をお客様に提案しております。リフレーミングとは、物事の枠組みを変え、違う視点から見ることを意味する心理学用語です。欠点や不安といったネガティブな物事の考え方の前提を変えてみる。そうすることで、長所や期待などポジティブなものとして捉えられるようになります。このように自身の思い込みを見直すことで、人間関係やビジネスが円滑になるのです。

関連記事

  1. 「リーダーシップ4.0」すべての人がリーダーシップを発揮する時代へ

  2. 「強み」以外は外部から取り入れる。自分の持つ能力を超えて成長するために…

  3. コンテンツが世の中に届く順番

  4. 「選択肢を持つ生き方」これからの時代の幸せのスタンダード

  5. 「Why」を伝え、自分を解放することで信頼を得る。幸せになるための「営…

  6. プロフェッショナルとは「生きる」に「働く」を重ねること

  7. 大人から子供まで全てのリーガルニーズに応える。人気YouTuber弁護…

  8. ベンチャー女優 寺田有希×ビジネス書出版社代表 小早川幸一郎