【コラム】〈シリーズ〉リーダーシップの本質を紐解く:社会への挑戦を続けた女性たちが描く歴史vol.4 卑弥呼


「リーダーや管理職は男がなるもの」、そんな固定観念にとらわれている人はまだまだ多く存在しています。そして実際に現在に至るまで女性がリーダーになることは少なく、2022年の日本では管理的職業従事者のうち女性が占める割合は12.9%(令和5年版 男女共同参画白書より)です。

男性有利な社会に負けず、果敢にチャレンジを続け、結果を出す。いま求められるリーダー像のようですが、そうした女性たちは、歴史上に数多く存在します。彼女たちは、どのように周囲を引っ張り、活躍してきたのか。偉大な女性から学ぶべきリーダーシップを、シリーズでお伝えします。


邪馬台国の女王、「卑弥呼」、神や霊と交信する鬼道で国を治め、表に姿を見せることがなかったミステリアスな彼女は、神秘的なリーダーとして民に崇められていたとされています。外交の力にも優れており、中国から「日本の王」の称号を与えられるなどして、地位を確立していきました。

「倭国の女王」と呼ばれた彼女の功績から、現代にも生かせるリーダーシップについて考えます。

現代のビジネスで必要な交渉力

卑弥呼は、邪馬台国の女王として、中国との間に外交関係を築き上げました。その際には交渉力が重要な役割を果たしていたでしょう。彼女が持っていたであろう交渉力は、現代ビジネスにおいても欠かせない能力となっています。

交渉は、基本的には相手との対話を通じて、双方が納得できる結果を出すためのプロセスです。そのため、交渉の場では話し合いの技術が要求されます。心理学的アプローチやハードルの設定、逆心理といったテクニックも有効に活用されます。これらのテクニックは、互いの立場や要求を明確にし、有利な条件を引き出すために用いられます。

ビジネス英語の能力も、対外的な交渉力を高める重要な要素となります。ビジネス用語の理解やビジネスメールの書き方、プレゼンテーションの技術など、ビジネスシーンでのコミュニケーションをスムーズに行うためには、適切な英語表現が必要となります。

さらには、国際法の理解も重要です。輸出入に関する法律、知的財産権、税法、労働法など、ビジネスを進める上での法的な制約や義務を理解し、遵守することが求められます。法的なトラブルを避け、信頼関係を築くためにも、国際法の知識は必要です。

これらのスキルを持つことで、彼女のように異文化との交渉を成功させ、ビジネスの成果を上げることが可能となります。対外的な交渉力とは、単に自分の意見を押し通す力ではなく、相手を理解し、共感し、双方が納得する解決策を見つける力です。その力を持つことで、強固な外交関係を築き、ビジネスの成功に繋げることができます。

「儀式」の力で組織の絆を強くする

卑弥呼は「鬼道」という神や霊と交信する儀式で国を治めたと言われています。

彼女は、宗教的な儀式を通じて自身の権威を示しました。これは、彼女が神々との独自の関係を持ち、その力を通じて人々に影響を与えたことを意味します。儀式は単なる形式ではなく、その背後にある意味を共有し、一体感を生む力強いツールです。

ビジネスの世界でも、この儀式の力を活用することができます。組織内での儀式やルールは、組織の価値観やビジョンを共有し、一体感を生む強力なツールとなります。例えば、社員の入社式や昇進式、会社の創立記念日などは、組織の歴史や文化を共有し、組織の一員としてのアイデンティティを強化します。

また、これらの儀式は、組織のルールや規範を体現する場でもあります。社員が共通のルールや規範を理解し、守ることで、組織は一体となり、スムーズに機能します。これは、組織の生産性や効率性を向上させるだけでなく、組織内のトラブルを防ぐ役割も果たします。

そして、儀式は、組織のリーダーが権威を示す手段でもあります。リーダーが儀式を通じて組織の価値観やビジョンを示すことで、その権威が組織内に認知され、受け入れられます。これにより、リーダーは組織を率い、必要な方向に導くことが可能となります。

彼女のような儀式を通じた権威の示し方は、現代のビジネスリーダーにも有益なヒントを与えてくれます。儀式の力を活用し、組織の一体感を醸成し、自身のリーダーシップを発揮しましょう。

自己存在価値を生かし、社会的地位を確立する

卑弥呼は古代の女性リーダーであり、男性社会で自分の立場をしっかりと確立しました。その秘訣の一つは、自己存在価値の認識でした。自己存在価値とは、自分が存在する価値や義を理解し、自己を肯定することです。神秘的な力を持っていたとされていた彼女は自分自身の能力や影響力を活用することで邪馬台国の民を魅了し、統治していたとされています。これは、ビジネスにおいても非常に重要な要素です。自己存在価値を認識することで、自己肯定感が高まり、自信を持って行動することができます。
また、自分の場を作り出すことで、そこから自己の影響力を発揮しました。この考えは現代ビジネスにおいても有効で、ビジョンを設定し、実行力を駆使して自分の場を作り出すことが求められます。そのためには、自己PRやブランディングも重要です。自分の強みや弱みを理解し、それを活用して自己のイメージを作り上げ、社会的な信頼を獲得することが必要です。

最後に、ネットワーキングも忘れてはなりません。彼女は様々な人々との関係を築き、そのネットワークを通じて自身の影響力を広げました。ビジネスでも、関係性の構築やコミュニケーション能力、協働の精神などが重要です。人々との絆を深め、共に成長することで、自分の社会的地位を確立することができます。

以上のように、彼女が実践した自己存在価値の認識、自分の場の作り出し、継続的な自己開発、ネットワーキングは、現代ビジネスでもそのまま通用します。これらを意識し、自身の社会的地位を確立することで、ビジネスの世界で成功をつかむことができます。

市場ニーズを掴む現代ビジネス戦略

卑弥呼が治世を安定させるために行ったのは、民心の掌握でした。当時の女性リーダーとして、民の心を理解し、そのニーズに応えることで治世を安定させました。これは現代ビジネスにも通じる考え方であり、顧客や市場のニーズを把握し、それに合わせた戦略を立てることが求められます。

彼女のように、リーダーとして治世を安定させるためには、まず民心を掌握することが必要不可欠です。これは、市場や顧客の期待を理解し、それを満たすことで、組織や企業が安定した成長を遂げることに直結します。

市場のニーズを把握するためには、マーケットリサーチが重要となります。市場調査を行うことで、顧客の求める商品やサービス、または市場の動向を理解し、それに適応したビジネス戦略を立てることが可能となります。また、顧客からのフィードバックを通じて、ニーズを把握し、商品やサービスを改善していくことも重要です。

ビジネスでも顧客の心情や市場の動向を理解することで、企業の成長や発展につながります。ニーズに基づいたビジネスモデルを構築することで、持続的な利益を得ることが可能となります。

さらに、顧客のニーズを満たすことで、顧客の忠誠心や愛着信も得ることができます。顧客との良好な関係を維持するためには、Customer Relationship Management (CRM)が重要となります。CRMとは、顧客との関係管理を意味し、顧客情報を一元管理し、個々の顧客に対する最適な接客を行うための戦略やシステムのことを指します。これにより、顧客に対するサービス向上を図ることができます。

弥生時代から現代のビジネスまで、共感力は人々をつなぎ、信頼関係を築く重要な力です。それは、人間関係を築く上で必要不可欠な力であり、リーダーシップの根幹とも言える力です。彼女が示した共感力を理解し、それを現代ビジネスに生かすことで、より良いリーダーとなることができるでしょう。

国際女性デーに、卑弥呼の「平和的解決」を考える

卑弥呼は、3世紀の日本で女性のリーダーとして絶大な影響力を持つとともに、戦乱の時代を平和に導く役割を果たしました。その手段は、武力による征服ではなく、言葉による解決でした。この部分に注目し、現代ビジネスにおける「平和的解決」の重要性を考えてみます。

戦争を避け、平和を保つために、彼女は部族間の対立を解消しました。これは、現代ビジネスにおいても重要な視点です。組織内部や他組織との対立の解消は、ビジネスの成長と発展に寄与します。

そして、国の和平を維持することは長期的な視点から見たとき、組織の安定と成長に寄与します。そして、そのためには他部族や国との信頼関係を構築することが必要でした。現代ビジネスでも、他組織や顧客との信頼関係の構築は、組織の成長と発展にとって重要です。

以上から、彼女が示した「平和的解決」の手法は、現代ビジネスにおける重要な視点となります。対話による問題解決、妥協の重要性、対立の解消、競争から協力へのシフト、和平の維持、信頼関係の構築。これらは、組織の成長と発展を目指すビジネスパーソンにとって、必要不可欠な視点です。国際女性デーを機に、卑弥呼の視点を想像してみてください。

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