「リーダーや管理職は男がなるもの」、そんな固定観念にとらわれている人はまだまだ多く存在しています。そして実際に現在に至るまで女性がリーダーになることは少なく、2022年の日本では管理的職業従事者のうち女性が占める割合は12.9%(令和5年版 男女共同参画白書より)です。
男性有利な社会に負けず、果敢にチャレンジを続け、結果を出す。いま求められるリーダー像のようですが、そうした女性たちは、歴史上に数多く存在します。彼女たちは、どのように周囲を引っ張り、活躍してきたのか。偉大な女性から学ぶべきリーダーシップを、シリーズでお伝えします。
百年戦争において、劣勢のフランス軍を勝利に導いたとされている「ジャンヌ・ダルク」。
今より女性の地位が遥かに低かった時代に、男性社会の軍に所属し、先頭に立って指揮を執ったのは、農夫の娘として生まれた普通の少女でした。
そして、ある日神からの啓示を聞いて、愛する祖国のために行動を起こします。
フランスの窮地を救った彼女の功績から、現代にも生かせるリーダーシップについて考えます。
具体的なビジョン設定でビジネスを成功させる
中世フランスの英雄であり、カトリック教会の聖人でもあるジャンヌ・ダルク。その生涯は、彼女が自身の使命に基づいて生きると決意したことによって始まりました。その使命は、神からの啓示、つまり自身が神の意志を体現する存在であるという固い信念から来ていました。その信念は、自己犠牲をも厭わない強い使命感につながりました。
ジャンヌ・ダルクはフランス王に対する忠誠を誓い、戦争での勝利を約束することで、民衆からの支持を得ました。また、彼女のカリスマ性や、民衆の期待を背負う覚悟も領袖までのし上がることができた要因です。
ここで注目すべきは、ジャンヌ・ダルクが自身の使命を明確にしていたことです。そしてその使命は具体的で、それが戦場での行動を導いていました。このような具体的な使命設定は、ビジネスの世界でも非常に重要です。
ビジネスの目標設定には、SMART原則という考え方があります。これは、「具体的(Specific)」「測定可能(Measurable)」「達成可能(Achievable)」「関連性がある(Relevant)」「時間制限がある(Time-bound)」の頭文字を取ったもので、目標設定のために有益なフレームワークです。
具体性とは、目標を詳細化し、達成基準を設定することです。測定可能性とは、KPI(Key Performance Indicator、主要業績評価指標)を設定し、フィードバックを活用することです。これらにより、目標が明確になり、その達成に向けた行動が導かれます。
そして、ビジネスではビジョンとミッションの設定も重要です。ビジョンは企業の理念を示し、ミッションはそのビジョンを実現するための行動計画を示します。企業の理念は、価値創造と社会貢献を含むことが多く、これに基づいた長期戦略の策定が求められます。成長戦略やサステナビリティ(持続可能性)を追求することも重要な要素です。
これらの目標設定の原則を活用することにより、組織全体を一つの方向へ導き、具体的な成果に結びつけることが可能となります。ジャンヌ・ダルクのように、明確な目標を設定し、その達成に向けて行動することが、ビジネス成功のカギとなるのです。
ジャンヌ・ダルクが教える信念の力、ビジネスリーダーの進むべき道を照らす
中世フランスの英雄、ジャンヌ・ダルクは、神から授かったと信じる使命を持ち続け、それを行動に移す力が成功の鍵でした。彼女の信念は、フランス国民の自由を取り戻すことであり、そのために生き、戦い、そして最後は命を捧げました。このジャンヌ・ダルクの信念の持続は、ビジネスリーダーが追求すべき価値観を示しています。
ビジネスリーダーもまた、自分の信じる道を追求することが求められます。それは企業のビジョンであったり、自身のキャリアビジョンであったり、チームの成功であったりします。その信念を持ち続け、それを行動に移す力を持つことが、ビジネスリーダーの成功の鍵となります。
しかし、信念を持ち続けることは容易なことではありません。日々の業務の中で困難に遭遇したとき、自己の信念を疑ってしまうこともあります。そんなときこそ、自己啓発を通じて信念を再確認したり、メンターとの対話を通じて信念を維持する方法を学んだりすることが重要です。
また、信念を行動に移す力も必要です。自己効力感、つまり自分が自分の力で何かを達成するという確信を持つこと、意志力を鍛えること、そして行動計画を立て、時間管理をすることなどが、信念を行動に移す力を強化するための方法と言えます。
さらに、ビジネスリーダーは、自身の信念をチームに伝え、共有することも求められます。ビジョンの設定、チームビルディング、デシジョンメイキング、インフルエンス力など、リーダーシップに必要な要素においても、信念の持続は重要な役割を果たします。
ジャンヌ・ダルクの信念の持続が彼女の成功を生んだように、ビジネスリーダーもまた、信念を持ち続け、それを行動する力を持つことで、自身の成功と組織の成功を実現することができます。信念の持続は、ビジネスリーダーが追求すべき価値観であり、その力が、困難な状況を乗り越える力となります。信念の持続を追求し、それを行動する力を持つことで、ビジネスリーダーは、自身の使命を明確にし、それを達成するための行動を導くことができます。
問題解決力を学ぶ – ジャンヌ・ダルクの勇猛さをビジネスに生かす方法
ジャンヌ・ダルクは、女性ながら数々の戦場を駆け抜け、歴史に輝く名勇士として語り継がれています。困難な状況でも解決策を見つけることができた能力、つまり問題解決力が彼女にはありました。ビジネスの世界でも、この問題解決力は非常に重要な要素であり、リーダーに求められるスキルの一つとなっています。
問題解決力とは、文字通り問題が起こったときにそれを解決する能力のことを指しており、その中には分析力、創造力、決断力、そして実行力の4つのスキルが含まれています。それぞれのスキルについて詳しく見ていきましょう。
最初に分析力。例えば、データ分析は事実を明らかにするための重要な手段で、情報を正確に把握することで問題の本質を見極めることが可能になります。データ収集から始まり、それを論理的に解析することで、問題の背後にある原因を明らかにすることができます。
次に創造力。一般的な方法で問題が解決しない場合、新たな視点からアイデアを生み出すことで突破口を見つけることができます。アイデア生成には、ブレインストーミングやマインドマッピングなどの手法があります。また、イノベーションにより、従来の枠組みを超えた解決策を見つけることも可能です。
決断力は問題解決の過程で必ず必要となるスキルです。情報を元に、タイムリーに適切な判断を下すことが求められます。ただし、スピードだけでなく、リスクの評価も重要です。リスク分析を行い、その上でリスクを受け入れるかどうかの決断が必要になります。
最後に実行力。プロジェクト管理能力を持つことで、タスク管理やリソース管理を行い、計画を順調に進めることが可能になります。また、チームマネジメントも重要で、リーダーシップを発揮し、適切なコミュニケーションを取ることで、チーム全体のパフォーマンスを高めることができます。
ジャンヌ・ダルクのような問題解決力を身につけることで、ビジネスの現場でも困難な状況に立ち向かい、解決策を見つけることができます。それぞれのスキルを磨くことで、より高い問題解決力を持つリーダーになることができるのです。
国際女性デーにジャンヌ・ダルク流ビジネススキルを実践
自己主張の力は、ビジネスの世界で重要なスキルの一つとなります。それは、ジャンヌ・ダルクが示したように、自身の意見を堂々と主張することで、一定の成果を上げることができます。
最初は自分の意見を持つことから始めましょう。それは、自分自身の視点を持つこと、要点を把握すること、そして情報収集を通じて意見を形成する能力となります。ジャンヌ・ダルクもまた、自身の信念を持って行動しました。これは、情報を収集し、それをもとに自身の考えを形成することの重要性を示しています。
コミュニケーションスキルと明確かつ簡潔な表現をすることも重要になります。また、他人に対するリスペクトと敬意を持って意見を伝えることも重要です。ジャンヌ・ダルクは、強い信念を持ち、それを人々に伝える能力がありました。これは、ビジネスリーダーもまた、同じように自身のビジョンを効果的に伝える力が求められることを示しています。
また、自己主張の強さを状況に応じて調整する能力、意見の相違を受け入れる柔軟性、そしてチームの意思決定に自己主張を活かすことも重要です。ジャンヌ・ダルクは自身の意見を堂々と主張しました。これは、ビジネスでも自己主張がチームの意思決定に重要な役割を果たすことを示しています。
論理的な議論をする能力、対立する意見に対して対応する力、そして自分の価値観を理解し、それを基に意見を守ることも必要となります。ジャンヌ・ダルクは自己の信念を貫き通しました。これは、ビジネスリーダーもまた、自己の価値観を理解し、それを基に意見を守ることが求められることを示しています。
以上のように、自己主張の力はビジネスリーダーにとって重要なスキルとなります。それは、ジャンヌ・ダルクが示したように、自身の意見を持つこと、それを表現し、主張し、守り、そして改めることが求められます。国際女性デーを機に、これらのスキルについて考えてみましょう。