【コラム】〈4月8日は忠犬ハチ公の日〉一頭の秋田犬がなぜ銅像になったの


思いを行動で示す。
自分の思いを行動につなげることは、ビジネスにおいて重要です。どれだけ頭の中で壮大なビジョンを描いても、それだけで成果は生まれません。そんな行動力の大切さを、日本一有名な、あの犬が教えてくれます。
渋谷駅の目の前にいる「忠犬ハチ公」。アメリカで映画化された「HACHI 約束の犬」が大ヒットし、日本のみならず世界的に知られるようになりました。外国人観光客の観光スポットや待ち合わせ場所としても有名で、可愛らしい像の周りにはいつも多くの人で賑わっています。
ハチ公は生まれてすぐに主人の上野英三郎と出会い、主人と一緒に毎日渋谷駅へ通いました。そして主人の死後も10年間、渋谷駅の前で主人を待ち続け、忠犬ハチ公と呼ばれるようになったのです。

主人への忠誠心と絆で「思いを行動で示す」ことの大切さを教えてくれたハチ公と、上野英三郎のストーリーを振り返ってみましょう。


ハチ公と主人上野英三郎の出会い

ハチ公は、1923年11月頃に秋田県大館市で生まれました。純粋な秋田犬で、毛色はクリーム色のような白に近い淡い茶色でした。

年が変わって1924年、東京帝国大学(現:東京大学)教授の上野英三郎博士のもとに、秋田の知人を通じて、生後二か月ほどになったばかりのハチ公が送られます。

ハチ公が上野家にやってきたのは、1924年1月のことでした。すでにポインター犬を2頭飼っていた大の犬好きだった上野夫妻。送られてきた秋田犬を「ハチ」と名付け、とても可愛がりました。

ハチ公の新しい生活は、上野博士との絆を深めていくことになりました。博士は毎朝、散歩がてらハチ公を連れて渋谷駅まで出かけていきます。そこから電車で東京帝国大学まで通勤するのが日課でした。

ハチ公は博士の帰りを渋谷駅で待つようになり、やがて誰に教えられたわけでもないのに、毎日欠かさず博士を出迎えるのが恒例となりました。
ハチ公の忠実さと賢さに、博士も周囲の人々も感心したでしょう。

上野博士とハチ公の出会いは、運命的とも言える巡り合わせでした。
互いに心を通わせ、深い絆で結ばれた2人の生活は、周囲の人々にも温かく見守られていました。しかし、この幸せな日々に、悲しい出来事が待ち受けていたのです。

主人の死後、10年も渋谷駅で待ち続けたハチ公

主人の上野が1925年5月21日に脳溢血で倒れ、急死してしまうのです。彼の死後、主人の最後の着衣を置いた物置にこもって3日間何も食べませんでした。それから毎日ハチ公は渋谷駅で上野の帰りを待ち続けました。

ハチ公は英三郎の死を受け入れることができず、英三郎がいつか必ず帰ってくると信じて待ち続けたのかもしれません。ハチ公にとって、英三郎は家族であり、生きる上でのすべてだったのです。英三郎亡き後も、ハチ公は英三郎への愛情を持ち続け、忠実に待ち続けました。

ハチ公の飼い主への忠誠心と愛情は、多くの人々の心を打ちました。英三郎亡き後も渋谷駅で待ち続ける姿は、人々に感動を与え、ハチは「忠犬ハチ公」として親しまれるようになりました。ハチ公の物語は、犬と飼い主の絆の深さを示す象徴的な出来事として、今なお語り継がれています。

ハチ公の待つ姿が話題となり、多くの人が訪れるように

ハチ公が飼い主の上野英三郎亡き後も渋谷駅で待ち続ける姿は、多くの人々の注目を集めるようになりました。きっかけは日本犬保存会初代会長の斎藤弘吉はハチ公のことを知り、ハチ公について、新聞に寄稿したことです。そこからさらに有名になったハチ公は、大変可愛がられるようになりました。ハチ公の姿を見かけた人々は、その忠誠心と飼い主への愛情に感動し、ハチ公の話を広めていきました。やがて、ハチ公の存在は全国的に知られることとなりました。

人々がハチ公に会うために渋谷駅を訪れるようになり、ハチ公は渋谷の名物となり、食べ物や水を与え、ハチ公を可愛がりました。

ハチ公の存在は、渋谷の街にとって特別なものとなりました。渋谷駅前は「ハチ公広場」と呼ばれるようになり、1934年にはハチ公の銅像が建てられました。この銅像は今なお多くの人々が訪れる渋谷の象徴となっています。

ハチ公の物語は、犬と飼い主の絆の深さを示す感動的な話として、世界中で知られるようになりました。ハチ公の忠誠心と愛情は、多くの人々の心を打ち、ハチ公は「忠犬ハチ公」として親しまれています。ハチ公の待つ姿は、渋谷の街の歴史の一部となり、今なお人々の記憶に刻まれています。

ハチ公が現代に伝えるメッセージ

ハチ公の物語は、今から約100年前に実際に起きた出来事ですが、現代に生きる私たちにも、様々なメッセージを投げかけています。

まず、ハチ公の生き方は、「忠誠心」や「絆」の大切さを教えてくれます。ハチ公は、飼い主との絆を何よりも大切にし、その思いを行動で示し続けました。現代社会では、利己的な考えや行動が蔓延しがちですが、ハチ公の姿に触れることで、私たちは改めて、大切な存在への愛情や誠実さの重要性を思い出すことができるでしょう。

また、ハチ公の物語は、「希望」や「持続する力」のメッセージも伝えています。飼い主を失った悲しみにも負けず、毎日渋谷駅で待ち続けるハチ公の姿は、どんなに辛い状況でも希望を失わず、粘り強く生きることの大切さを物語っています。

さらに、ハチ公は「絆の力」も教えてくれます。飼い主との絆だけでなく、ハチ公を見守り続けた多くの人々との絆もまた、ハチ公の生きる支えとなりました。私たちもまた、家族や友人、地域社会との絆を大切にすることで、困難な時期を乗り越える力を得ることができるはずです。

加えて、ハチ公の物語は「愛の記憶」の大切さも伝えています。亡き飼い主への愛を胸に、ハチ公は生涯をかけて待ち続けました。愛する人との思い出を大切にし、その記憶を糧に生きることの尊さを、ハチ公は教えてくれているのです。

ハチ公の物語は、時代を超えて多くの人々の心を打ち続けています。それは、ハチ公の生き様が、現代を生きる私たちにとっても、かけがえのないメッセージを投げかけているからにほかなりません。ハチ公から学ぶべきことは、今なお尽きることがないのです。

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