【コラム】〈シリーズ〉企業の情報発信力がより一層求められる現代vol.3 想いを言語化して伝える、企業理念の大切さ


サービスの宣伝をしているのに新規顧客を獲得できない。採用情報を発信しているのに採用の応募がまったくこない。誰もが気軽に世界に向けて情報発信ができる時代。情報が溢れるなかで、自社について知ってもらうための発信は難しくなっています。
一方で、時代に合わせた情報発信をすることができれば、クライアント獲得、採用応募数増、ブランディング、さらには離職率の低下にもつながります。このシリーズでは、企業の情報発信力を向上させるための方法について考えます。


企業理念とは、企業の想いや信念を簡潔に言語化したものです。ただし、企業の目指す未来を書いておくだけでは、成長につながりません。
企業の価値観を顧客に伝えて「共感」を生む、社内に理念を浸透させて行動指針を明確にする。企業理念を広めることで、さまざまな効果が生まれます。

このコラムでは、企業にとっての理念を広めることの大切さ、具体的にどのように広めていくかを紹介しています。企業理念の大切さを振り返り、企業だけでなく従業員の成長にもつなげていけるようにしていきましょう。

「企業理念」にはさまざまなメッセージが込められている

皆さんは、大好きな企業やブランドを持っていますか?素敵な商品やサービスの裏には、企業の信念や価値観が込められています。企業は、その想いをお客様や社会に伝えるために「経営理念」や「企業理念」を掲げています。

例えば、誰もが知るコーヒーチェーン、スターバックスコーヒージャパン。美味しいコーヒーを提供するだけでなく、「この一杯から広がる、心かよわせる瞬間、それぞれのコミュニティとともに―人と人とのつながりが生みだす無限の可能性を信じ、育みます」で始まる「Our Mission, Promises and Values」を掲げています。世界中の人々に、コーヒーを通して安らぎや温かさを届けると共に、コミュニティにポジティブな影響を与えるという強い想いが込められています。

また、世界最大のネットショッピングサイトであるAmazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業」という理念を掲げています。言葉の通り、お客様を第一に考え、オンラインであらゆるものを、可能な限り低価格で販売できるように努めています。

これらの企業は、商品やサービスだけでなく、その背景にある理念によって多くの人々を魅了しています。企業は、自社の存在意義や目指す未来を明確に示すことで、顧客との深いつながりを築くことができます。

「共感」が顧客満足度アップをもたらす

「顧客満足度」は、企業の成長にとって非常に重要です。商品やサービスの質はもちろんのこと、顧客の心を掴むためには、企業理念が重要な役割を果たします。

顧客は、商品やサービスを購入するだけでなく、その企業が持つ理念にも共感することで、より深い満足感を得ます。例えば、環境問題に関心の高い顧客は、環境保全に積極的に取り組む企業の商品を選びたくなるでしょう。これは、単なる商品やサービスの提供を超えた、企業と顧客の間に生まれる「共感」の関係性です。
企業理念に共感した顧客は、企業に対して強い信頼感や愛着心を抱きます。その結果、リピーターになったり、口コミで周囲に広めたりと、企業の成長に大きく貢献してくれるでしょう。

企業理念は、顧客満足度向上のための強力な武器となります。顧客との間に「共感」という絆を築くことで、企業は持続的な成長を実現できます。

採用難時代を勝ち抜くための企業ブランディング

「企業理念」は、採用難時代を勝ち抜く強力な武器になります。

従来型の採用活動では、給与や待遇といった条件面が重視される傾向にありました。しかし、近年の求職者は、これらの条件に加え、企業の「価値観」や「社会貢献性」といった目に見えない要素を重視する傾向が強まっています。特にミレニアル世代やZ世代といった若い世代は、自身の仕事が社会にどのような影響を与えるのか、自分の価値観と合致しているのかを重視する傾向があります。
このような状況下で、企業が求職者から選ばれるためには、自社の「らしさ」を体現する「企業理念」を明確に打ち出し、効果的に発信していくことが重要になります。

企業理念を効果的に発信することで、企業は求職者に対して、魅力的なエンプロイヤーブランディングを構築することができます。エンプロイヤーブランディングとは、企業が求職者や従業員に対して、自社の魅力を効果的に伝えるためのマーケティング戦略を指します。企業理念を軸としたエンプロイヤーブランディングを行うことで、求職者は、その企業で働くイメージを具体的に描きやすくなります。
結果として、共感や共鳴を通じて、企業と求職者間の心理的契約(psychological contract)が生まれ、優秀な人材を獲得できる可能性が高まります。心理的契約とは、企業と従業員の間にある、明文化されていない相互の期待や約束事を指します。

具体的には、企業理念を盛り込んだ採用ページや求人広告の作成、会社説明会や面接での積極的なアピールなどが挙げられます。また、SNS を活用し、社員が日々の業務や社内イベントの様子を通して、企業理念を体現する姿を積極的に発信していくことも有効な手段です。
求職者は、これらの情報に触れることで、企業理念への共感や企業文化への理解を深め、入社意欲を高めることができます。

理念は社員の「羅針盤」である

企業理念は、社内外に発信する「会社の顔」であると同時に、社員一人ひとりの行動指針となる「羅針盤」です。しかし、せっかく素晴らしい理念を掲げても、社員に浸透していなければ意味がありません。

そこで重要になるのが、効果的な社内コミュニケーション戦略です。社員一人ひとりの心に理念を根付かせ、日々の行動へと繋げていくための施策が必要です。
まず取り組むべきは、理念の「わかりやすさ」です。抽象的な言葉が並ぶよりも、社員一人ひとりが自分の言葉で理解し、共感できるような表現でなければなりません。例えば、社員向けの説明会やワークショップを開催し、理念に込められた想いや背景を共有したり、日々の業務とどのように結びつくのかを具体的に示すことが有効です。

また、一方的に伝えるのではなく、双方向のコミュニケーションを促進することも重要です。社員からの意見交換や質問を通して、理念への理解を深めるとともに、会社へのエンゲージメント(愛着や思い入れ)を高めることができます。社内SNSやチャットツールを活用し、気軽に意見交換できる環境を整えたり、理念に関するアイデアを募集するコンテストなどを開催するのも良いでしょう。

さらに、理念を体現している社員を表彰する制度や、行動に反映されているかを評価に組み込むなど、日々の業務に理念を浸透させるための仕組み作りも欠かせません。
効果的な社内コミュニケーション戦略を通して、社員一人ひとりが企業理念を「自分ごと」として捉え、日々の行動へと繋げていくことが、企業の成長に不可欠です。

企業理念を共有し、未来を創造する

企業理念。それは、企業の存在意義や価値観、目指す未来を端的に表現したものです。
「ただの綺麗事」と捉えられがちですが、企業活動の根幹を支える重要な要素です。

顧客満足度向上、採用活動の成功、社員のモチベーションアップ、ブランド価値向上、社会貢献、イノベーション創出。これらは全て、明確な企業理念とその浸透によって達成できる目標です。
企業理念は、社員一人ひとりの行動指針となり、顧客や社会との繋がりを生み出し、変化の激しい時代を生き抜く羅針盤となります。創業者の想いを未来へと繋ぎ、企業の持続的な成長を支えるものでもあります。

企業理念は、ただ掲げれば良いというものではありません。
社員一人ひとりが理解し、共感し、日々の業務に実践していくことで、真価を発揮します。もし、自社の企業理念が形骸化していない、社員に浸透していないと感じたら、それは見直しの良い機会です。企業理念を再定義し、社内外に効果的に発信することで、企業文化は大きく変化します。
自社の強み、弱み、顧客、競合、市場環境などを分析し、未来を見据えた上で、目指すべき方向性を明確化しましょう。社員の声に耳を傾け、共感を得られる理念を構築することが重要です。

企業理念は、企業の成長を促進する原動力となります。今一度、自社の理念を見つめ直し、未来に向けて進んでいきましょう。

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