「リーダーや管理職は男がなるもの」、そんな固定観念にとらわれている人はまだまだ多く存在しています。そして実際に現在に至るまで女性がリーダーになることは少なく、2022年の日本では管理的職業従事者のうち女性が占める割合は12.9%(令和5年版 男女共同参画白書より)です。
男性有利な社会に負けず、果敢にチャレンジを続け、結果を出す。いま求められるリーダー像のようですが、そうした女性たちは、歴史上に数多く存在します。彼女たちは、どのように周囲を引っ張り、活躍してきたのか。偉大な女性から学ぶリーダーシップを、このシリーズでは紹介していきます。
本格的に武士の時代が始まったとされる鎌倉時代。そんな時代に女性でありながら、圧倒的な政治力で時代を収めた北条政子は「尼将軍」と呼ばれています。
彼女は夫の源頼朝と共に鎌倉幕府の実権を握りました。そして夫の死後も将軍となった息子の後見人として政治を行い、事実上の最高権力者でありました。
激動の時代を収めた彼女の功績から、現代にも生かせるリーダーシップについて考えます。
戦略的思考力が、現代ビジネスの成功を導く
鎌倉時代初期の日本、北条政子がその時代の事実上の最高権力者でした。彼女は時代の政治情勢を見極め、権力を保持していました。その手腕は、単なる一時的な成功ではなく、夫の頼朝が亡くなった後も御家人たちの支持を得ることができており、権力を維持し続ける土台を作ることに成功しました。その能力は、現代のビジネスでも重要なスキルであり、市場の変動に対応しながら自社の地位を維持、強化するために必要だと言えるでしょう。
彼女が活躍した時代は、平安時代が終わりを迎え、鎌倉幕府が成立するという大きな政治変動が起こった時代でした。その中で彼女は、将軍となった息子の後見人として幕府の実権を握り、権力を保持していきました。
これは、現代ビジネスにおいても重要なスキルです。経済状況や業界トレンドといった市場の変動に対応しながら、ブランドイメージや競争力といった自社の地位を維持、強化することは容易なことではありません。しかし、彼女のように戦略的思考力を持つことで、市場の変動に対応しながらも自社の地位を維持、強化することが可能になります。
そして、戦略的思考力はビジネス戦略の策定や問題解決能力といった側面でも重要となります。マーケティング戦略や経営戦略を策定するためには、市場の変動や自社の地位を見極め、適切な戦略を立てる必要があります。また、ビジネス問題や社会問題の解決にも、現状の把握から解決策の策定、実行に至るまで、戦略的な思考が求められます。
彼女のような戦略的思考力を持てば、市場の変動に対応しながら自社の地位を維持、強化することが可能となります。また、ビジネス戦略の策定や問題解決能力を向上させることも可能となります。これらのことから、現代のビジネスにおいても戦略的思考力は非常に重要なスキルであると言えるでしょう。
パートナーシップの強化でビジネス成功への道を切り開く
北条政子、その名を聞いて思い浮かべるのは、強力なリーダーシップと、困難な状況でも冷静な判断力を持ち、自身の立場を固める能力でしょう。しかし、彼女の力の源泉は、ただ単に強さだけではありません。彼女の成功の秘訣は、共同統治という形でのパートナーシップを重視する姿勢にありました。
パートナーシップとは、一緒に働く人々との関係性を築くこと、互いの強みを活かし合うことです。彼女は夫と共同で政治を行い、その中でパートナーシップの重要性を示しています。
現代のビジネスにおいても、このパートナーシップの重視は非常に重要です。ビジネスは一人では成し遂げられないものです。共に働く人々との関係性を築き、互いの強みを活かし合うことで、組織全体としてのパフォーマンスを高めることが可能となります。
また、パートナーシップを築く際には、お互いの意見を尊重し、互いの専門性を認め合うことが重要です。その結果、チーム全体としての一体感を生み出し、組織の目標達成に繋がります。
このように、彼女が行った共同統治は、現代ビジネスにおいても重要な指針となります。彼女のように、共に働く人々との関係を築き、お互いの強みを活かし合うことで、ビジネスの成功に繋がるのです。
リスク管理術で社内外の問題に立ち向かう
時代背景を考慮に入れると、北条政子の生き抜いた時代では、様々なリスク要因を見極め、それをうまく管理するスキルが求められました。彼女はまさにそれを見事に達成した人物でしょう、政治を上手く運営していくために、息子や父親までも政治の場から追放したのです。
政情の変動といった、外部からのリスク要因に対して、彼女はいつも冷静に対応していました。また、政情の変動という未来予測が困難なリスク要因についても、彼女は自身の立場を保つための戦略を練り、それを実行していきました。
これらの行動は、彼女が持っていた優れたリスク管理能力の証であり、現代ビジネスにおいても非常に参考になります。今日のビジネス環境は、変化が激しく、予測が難しいため、リスクの認識とその管理が必要不可欠です。外部からのリスク要因、例えば競合他社の動向や市場環境の変化、また内部からのリスク要因、例えば社員のモチベーションの低下や経営資源の欠如などに対して、リーダーは早期に対応策を練り、それを実行することが求められます。
リスク管理とは、企業が直面する潜在的なリスクを評価し、そのリスクが発生した時にどのように対処するかの計画を立てることを指します。リスクの評価には、リスクの特定、リスクの分析、リスクの評価といったプロセスが含まれます。
彼女が見せたリスク管理の姿勢から学ぶべきは、リスクを避けるのではなく、リスクを認識し、それを管理するという姿勢です。リスクは避けられないものであり、適切に管理することで、ビジネスの成功につながるという視点は、現代ビジネスにおいても重要な視点であります。
誰もがリスクを恐れますが、リスクを恐れて避けてしまうと、新たなチャンスも逃してしまうことになります。リスクを認識し、それを適切に管理することで、ビジネスの成長と発展を達成することが可能になるのです。
広い視野をもってビジネスチャンスを捉える
北条政子は、家族のみならず御家人や国民を見渡す広範な視野を持っていたといいます。彼女の視野を広く持つことは、周囲の状況を把握し、その中で最善の道筋を見つけ出すために必要なものであり、現代ビジネスにおいても非常に重要なスキルといえます。
ビジネスにおいて広い視野を持つことは、自社の製品やサービスだけでなく、市場全体を理解し、その中で自社の位置を正確に把握することを可能にします。これは、適切な戦略を立案し、業績を向上させる上で必要不可欠です。また、新しいビジネスチャンスを見つけ出すための視点を発見することもできます。市場の変化や競合他社の動向、顧客のニーズなど、様々な要素を広範に視察することで、新たな可能性を探り出すことができます。
さらに、広い視野は、組織内の人間関係やチームの動向を理解する上でも役立ちます。一部の人々や部署に焦点を当てるだけでなく、全体のバランスを見ることは、組織全体の健全な運営に寄与します。また、多角的な視点を持つことは、異なる意見の尊重や多様性の理解につながり、より豊かなアイデアや解決策を生み出すことができます。
しかし、広い視野を持つことは容易なことではありません。多くの情報を吸収し、それを適切に解釈し、意思決定に反映させるためには、高度な知識と経験、そして洞察力が求められます。しかし、これらのスキルは、日々の業務を通じて、また自己啓発を通じて培うことができます。
彼女のように広い視野を持つことは、ビジネスにおいても大きな強みとなります。それは、自社の可能性を広げ、組織の成長を促し、長期的な成功を実現するための重要な要素となります。このような視野を持つことで、リーダーとしての資質を高め、自社のビジネスを次のレベルへと導くことができます。